「K」の歌詞を読んで表現力UP[文章力UPシリーズ番外編]

歌詞考察 K ミュージック

前回の「前前前世」が好評だったので、第2弾を書くことにしました!

今回の題材はBUMP OF CHICKENの「K」です。

BUMP OF CHICKENと言えば、歌詞が物語になっている曲が多く、歌を聴きながら物語を見ているかのような体験をすることができます。

そのBUMP OF CHICKENの曲の歌詞を紐解くと表現力UPは間違いなしです!

曲紹介

今回、「K」を選曲した理由は、僕が猫好きだからです…というのは半分冗談で、表現がわかりやすい部分が多く読み解きやすいからです。

また、「K」はBUMP OF CHICKENが物語調の曲を作り出した初期の曲でもあります。

タイトルの「K」の意味を知っている人はそれだけで泣けます。この意味は読み進めていくとわかります。

「K」の主要登場キャラクターはこの2人です。

  • 黒猫(ホーリーナイト)
  • 絵描き(黒猫の名付け親)

では、「K」の世界に入りこんでみましょう。

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表現方法

歌詞を紹介しながら解説していきます。曲の全体的な流れとしては黒猫視点で物語が進んでいきます。最後だけ黒猫視点から〇〇視点に変わりますが、それは黒猫が死んでしまうから…です。

週末の大通りを 黒猫が歩く

御自慢の鍵尻尾を水平に 威風堂々と

その姿から猫は 忌み嫌われていた

闇に溶ける その体目掛けて 石を投げられた

黒猫の姿を描いています。毛並みは黒色、尻尾は鍵尻尾、歩く様は威風堂々としています。おそらく、ふてぶてしい黒猫なのでしょう。(好きです。)

このフレーズの表現力UPポイント「闇に溶ける その体」という部分です。黒猫の毛並みの色を表現しています。

夕暮れから夜にかけて暗くなる時間帯ではその体が見えなくなるほど黒い毛並みをしているということがわかります。闇に溶けるほど黒い黒猫ですね。

その黒猫に石を投げるという行為は、投げている人(おそらく子供)にとって、一種のゲームのように捉えているのかもしれません。

「猫に石を投げるなんて何やってんだ!!」と怒ってしまいたくなりますが、これが黒猫にとっての日常で人と関わりたくないと考えるのは当然でしょう。その考えが次のフレーズに表れています。

孤独には慣れていた 寧ろ望んでいた

誰かを思いやる事なんて 煩わしくて

そんな猫を抱き上げる 若い絵描きの腕

「今晩は 素敵なおチビさん 僕らよく似てる」

黒猫と絵描きが出会ったシーンです。

前半に黒猫の考え方が表れています。

「孤独でいたい。誰かを思いやるなんてありえない。」

こんな悲しい考え方になってしまうのは仕方ないと思います。理由もなく忌み嫌われて生きてきた黒猫にとって思いやる誰かがいることなんて想像もできなかったと考えられます。胸が痛くなります…

そこで、絵描きが黒猫を抱き上げます。ここで絵描きが「僕らよく似てる」と言いますが、これは絵描きが売れていなくて孤独という点が似ているのでしょう。(絵描きには恋人がいるから違うかもしれません)

腕の中踠いて 必死で引っ掻いて 孤独という名の逃げ道を

走った 走った 生まれて初めての

優しさが 温もりが まだ信じられなくて

どれだけ逃げたって 変わり者は付いて来た

黒猫は初めて優しさと温もりを知りましたが、今まで辛い生き方をしてきた黒猫にとってその感情は信じられないものでした。もがいて引っ掻いて絵描きから必死で逃げます。

どれだけ逃げても絵描きは黒猫を追いかけます。この時、黒猫は絵描きのことを「変わり者」と思っています。

これが黒猫と絵描きの関係性を表す大事な表現方法です。この点は最後に整理します。

それから猫は絵描きと 二度目の冬を過ごす

絵描きは 友達に名前をやった 「黒き幸」”ホーリーナイト”

彼のスケッチブックは ほとんど黒尽くめ

黒猫も 初めての友達に くっついて甘えたが ある日

二度目の冬を過ごすということは、黒猫は絵描きと1年以上一緒にいたようです。直接何年と言わないあたりが表現の巧さを感じますね!

ここで、黒猫に名前が付けられます。その名も”ホーリーナイト”。名前の意味は後でわかります。

絵描きのスケッチブックは「ほとんど黒尽くめ」ということは、黒猫の絵ばっかり描いていたと想像できます。

そういう日々を過ごしていたからか黒猫も絵描きに甘えられるようになっています。出会った頃と大違いですね。黒猫が絵描きに対する想いも「友達」に変わっています。

順風満帆な生活かと思いきや…

貧しい生活に 倒れる名付け親 最後の手紙を書くと 彼はこう言った

「走って 走って こいつを届けてくれ

夢を見て飛び出した僕の 帰りを待つ恋人へ」

不吉な黒猫の絵など売れないが それでもアンタは俺だけ描いた

それ故 アンタは冷たくなった 手紙は確かに受け取った

絵描きが倒れてしまいました。そして、そのまま冷たくなってしまいます。

絵描きから手紙を届けてほしいと頼まれた黒猫も絵描きの死を理解し、決意のようなものを感じます。

売れないのに自分を描き続けた絵描きに少し責任を感じているのかもしれません。

ここから黒猫の長い旅が始まります。「K」の物語も佳境になってきました。

雪の降る山道を 黒猫が走る

今は故き親友との約束を その口に銜えて

「見ろよ、悪魔の使者だ!」石を投げる子供

何とでも呼ぶがいいさ 俺には 消えない名前があるから

「ホーリーナイト」「聖なる夜」と呼んでくれた

優しさも温もりも 全て詰め込んで 呼んでくれた

忌み嫌われた俺にも 意味があるとするならば

この日のタメに生まれて来たんだろう どこまでも走るよ

山道を必死に走る黒猫がそこにいました。絵描きとの約束である手紙を口に銜えています。

ここで黒猫は絵描きのことを「親友」と想うようになっています。

そして、また石を投げられますが、孤独に逃げていた黒猫の姿はそこにはありません。「ホーリーナイト」という名前に誇りを持っていることが強さの秘訣でしょう。

ここで名前の由来が出てきましたね。「ホーリーナイト」は「Holly Night」で「聖なる夜」という意味でした。真っ黒な黒猫の姿を模した素敵な名前ですね。

黒猫は自分の生きる意味を見つけられたようです。

…まだまだ走り続けます。

彼は辿り着いた 親友の故郷に 恋人の家まで あと数キロだ

走った 転んだ すでに満身創痍だ

立ち上がる間もなく 襲い来る 罵声と暴力

負けるか俺はホーリーナイト 千切れそうな手足を

引き摺り なお走った 見つけた! この家だ!

黒猫は何キロ走ってきたのでしょうか…それでもあと数キロ。

罵声と暴力にさらされながら諦めずに走り続けます。

そしてようやく恋人の家を見つけました。

このシーンは本当に泣けます…。

手紙を読んだ恋人は もう動かない猫の名に

アルファベット1つ 加えて庭に埋めてやった

聖なる騎士を埋めてやった

黒猫は恋人の家に辿り着いてそのまま死んでしまいます。

恋人は黒猫の墓を作りました。ただ、そこに書いた名前は「Holly Night」=「聖なる夜」ではなく、亞アルファベット1つ付け足した「Holly Knight」=「聖なる騎士」でした。

黒猫は絵描きと恋人の騎士になれたのです。

タイトルの謎も解決させ、黒猫の名前が騎士なる素晴らしいエンド。

「K」…それは感動で泣ける物語

黒猫と絵描きの物語はここで終わります。結局、2人とも死んでしまいました…。

黒猫のニャン生は報われたのでしょうか?

黒猫はきっと満足して死んでいったのだと思います。

では、表現力UPのポイントを整理していきます。

タイトル「K」の意味

最後の部分でわかった人も多いと思いますが、黒猫の名前に恋人がアルファベットを1つ加えます。

その1つこそが「K」だったのです。

「Holly Night」+「K」→「Holly Knight」

決してKuronekoのKではありません笑

黒猫の絵描きに対する感情

黒猫と絵描きの距離感を表す単語が使われています。

それが「変わり者」、「友達」、「名付け親」、「親友」です。

絵描きと出会った頃の黒猫は、絵描きに対して「変わり者」と思っていました。

その黒猫が絵描きに甘えられるようになり、絵描きを「友達」と思い始めます。それと同時に絵描きを「名付け親」としても認めています。

そして冷たくなってしまった絵描きとの約束は果たそうとする中で、絵描きを「親友」と思うようになっています。

このように単語だけで距離感を表す表現は素敵です。

おまけ

YouTubeにこんな動画が上がっていました。今まで歌詞を読み解いてきましたが、動画で見れるとより分かりやすくなると思います。ぜひどうぞ!

俺が初めて泣けた曲『K』

…これは本当に泣けます。

「K」の意味を知りながら最後に曲を聴いてみてください。きっと新たな気づきがあることでしょう。

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